機能を覚えるより、
使い分けを覚える。

Claudeの機能を一通り説明されても、業務で使えるようにはなりません。必要なのは「この作業ならこの機能」という対応づけです。ここではファイル添付・アーティファクト・拡張思考という3つの基本機能について、それぞれ何が得意で、どんな業務のときに呼び出すべきかを、実際の使い方の例とあわせて整理します。

3つの機能を1枚で整理する

確認日:2026年7月/画面はデスクトップ版

先に対応づけだけ示します。これだけ覚えれば、あとは読まなくても使えます。

  • ファイル添付Claudeに情報を渡す。手元の資料を読ませたいとき。
  • アーティファクトClaudeに成果物を作らせる。そのまま使える文書や表、ツールがほしいとき。
  • 拡張思考Claudeに時間をかけさせる。ぱっと答えられない問いを投げるとき。

方向が違う3つです。情報を「入れる」のがファイル添付、「出す」のがアーティファクト、出す前の「考える時間」を伸ばすのが拡張思考、と捉えると混乱しません。

POINT

機能の名前を覚えることに意味はありません。**「いま自分がやろうとしている作業は、入れる・出す・考えるのどれか」**を判断できれば、必要な機能は自然に決まります。

ファイル添付:資料を読ませる

会話の入力欄にファイルをドラッグするか、添付ボタンから選ぶだけです。操作は簡単なので、ここでは使い方のコツを書きます。

  • PDF、Word、Excel、テキスト、画像などを渡せる:契約書、議事録、仕様書、請求書の写真といった業務資料が対象になります。
  • 全部渡すより、必要な部分を渡すほうが精度が上がる:300ページの資料をまるごと渡して「要点を出して」と頼むより、関係する章だけを渡すほうが良い答えが返ります。使用量の消費も抑えられます。
  • 複数のファイルを突き合わせられる:ここが人間の作業を最も置き換える部分です。「この見積書と、去年の同じ案件の見積書を比べて、変わっている項目を出して」といった依頼ができます。

業務で効きやすい使い方を挙げます。

  • 議事録から決定事項とToDoだけ抜き出す:録音の書き起こしをそのまま渡しても機能します。
  • 契約書の変更点を出す:旧版と新版を両方渡して「差分と、その差分が自社にとって不利かどうか」を聞く。最終判断は人がしてください。
  • 手書きの帳票を読み取って表にする:写真を渡して「表形式にして」と頼む。精度は原本の状態次第なので、必ず目視で確認します。
CAUTION

スキャンしただけのPDF(紙を画像として取り込んだもの)は文字データを持っていないことがあり、うまく読めない場合があります。そのときは該当ページを画像として渡すと読み取れることが多いです。元のWordやExcelが残っているなら、そちらを渡すのが最も確実です。

アーティファクト:成果物を作らせる

アーティファクトは、会話の横に成果物が独立して表示される機能です。長い文書やコード、表などを作らせると、チャットの吹き出しではなく専用の領域に出てきます。

チャットの中に長文が流れるのと何が違うのか。実務上の差は3つです。

  • 修正を重ねても崩れない:「3段落目をもう少し柔らかく」と頼むと、その場で更新されます。全文が再出力されて会話が流れていく、ということが起きません。
  • そのまま取り出せる:コピーや保存がしやすく、社内文書に貼るまでが速くなります。
  • 動くものが作れる:簡単な計算ツールやシミュレーターのような、その場で操作できるものを作らせることもできます。

中小企業の現場で実際に使われている例を挙げます。

  • 提案書のたたき台:ヒアリングメモを渡して構成から作らせ、その場で章立てを直していく。
  • 社内向けの手順書:口頭で説明していた作業を書き起こさせ、読みやすい形に整える。
  • 見積の比較表:複数の見積書を渡して、条件を揃えた比較表にする。
  • 簡易な試算ツール:料金や工数の計算ロジックを伝えて、数値を入れると結果が出る画面を作らせる。
CAUTION

アーティファクトはその会話の中に置かれているものです。会話を削除すれば一緒に消えます。業務で使う成果物なら、内容を社内のファイルサーバーやDriveに保存してください。また、外部に渡すために共有リンクを作った場合は、リンクを知っていれば誰でも開ける点に注意が必要です。共有リンクの棚卸しについてはClaudeのデータ学習をオフにするで扱っています。

1分でできること
機能は分かったが、自社の何に使えるかが見えない
初回ヒアリング(60分・オンライン)で、実際の業務からAIに任せられる作業を洗い出します。売り込みはしません。
まず相談する

拡張思考:じっくり考えさせる

拡張思考は、答えを出す前にClaudeが考える時間を長く取る設定です。入力欄の近くにある切り替えから有効にできます。

すぐ答えが返ってくるのが良いことのように思えますが、業務判断に関わる問いでは、時間をかけたほうが明らかに質が上がります。人間の仕事と同じです。

  • 向いている場面:複数の条件を突き合わせる、複数案を比較して根拠つきで推す、長い資料の矛盾を探す、原因の見当をつける。
  • 向いていない場面:短い言い換え、定型メールの下書き、単純な要約。差が出ないうえに待ち時間だけ増えます。

実務での目安を挙げます。

  • 「どちらがよいか、理由も」と聞くとき:オンにする。判断の材料が増えます。
  • 「この契約書に不利な条項はないか」:オンにする。見落としが減ります。
  • 「この文章を丁寧語に直して」:オフでよい。
POINT

拡張思考は**使用量の消費が増え、回答までの時間も延びます。**常時オンにするのではなく、「これは考えてほしい」という問いのときだけ切り替えるのが効率的です。プランごとの使用量の考え方はアカウント作成とプランの選び方で扱っています。

組み合わせて使う

3つは同時に使えます。実務で効くのは、この組み合わせです。

資料を渡す(ファイル添付)

判断に必要な資料をまとめて添付します。過去の類似案件の資料も一緒に渡すと、比較の質が上がります。

じっくり考えさせる(拡張思考)

拡張思考をオンにして、「この条件で進めた場合のリスクを、根拠となる箇所を引用しながら挙げて」と頼みます。「根拠となる箇所を引用しながら」を必ず付けてください。確認できない指摘は使えません。

成果物にまとめさせる(アーティファクト)

出てきた内容を「社内共有用の1枚にまとめて」と頼むと、アーティファクトとして整形されます。そのまま会議資料に使えます。

CAUTION

どの機能を使っても、出てきた内容の正しさを確認する責任は人の側に残ります。特に金額、日付、固有名詞、法律や規約に関わる記述は必ず原本と突き合わせてください。「AIが言ったから」は社外に対する説明になりません。

よくある質問

PDFを添付したのに「読めません」と言われます。
画像として取り込まれたスキャンPDF(紙をスキャンしただけのもの)は、文字データを持っていないことがあります。この場合は該当ページを画像として添付すると読み取れることが多いです。それでも精度が出ないときは、元のWordやExcelのファイルがあればそちらを渡すほうが確実です。
アーティファクトで作ったものは、どこに保存されますか?
その会話の中に残ります。会話を消せば一緒に消えます。業務で使う成果物なら、内容をコピーして社内のファイルサーバーやDriveに保存してください。共有リンクを作って外部に渡すこともできますが、リンクを知っていれば誰でも開ける点に注意が必要です。
拡張思考は常にオンにしておくべきですか?
常時オンにする必要はありません。じっくり考えるぶん回答までの時間が延び、使用量の消費も増えます。定型的な言い換えや短い要約では体感差がほとんどありません。「複数の条件を突き合わせる」「判断の根拠を出させる」といった場面で使うのが効率的です。
機密資料を添付しても大丈夫ですか?
技術的には添付できますが、社内で線引きを決めてから使ってください。まずデータ学習の設定をオフにし、そのうえで「顧客名は伏せる」「未公開の数字は入れない」といったルールを共有するのが実務的です。設定手順はプライバシーの記事にまとめています。
添付できるファイルの数や大きさに上限はありますか?
上限はあり、プランや時期によって変わります。大きなファイルは一度に渡すより、必要な章だけを切り出して渡すほうが精度も上がり、使用量の消費も抑えられます。上限に当たる前に「渡す情報を絞る」ほうが結果的に良い回答になります。

設定はできた。
では、どう使うか。

安全に使う準備が整ったら、次は「どの業務に入れるか」です。
初回ヒアリングは60分・オンライン・全国対応。営業も売り込みもしません。

まず相談する(初回60分)経営者向けAIセミナーを見る