社内のデータに、
どこまで触らせるか。

Claudeは外部サービスに接続して、Google Driveの資料やSlackの会話を参照しながら回答できます。便利な機能ですが、接続した瞬間に「誰の権限で、どこまで読めるようになったのか」を説明できる状態にしておく必要があります。ここでは接続手順そのものより、法人利用で確認しておくべき権限の考え方に重点を置いて解説します。

コネクタとは何か

確認日:2026年7月/画面はデスクトップ版

コネクタは、Claudeを外部サービスに接続して、そこにあるデータを参照させる仕組みです。Google Drive、Slack、カレンダーなど、業務で使っているサービスを繋げます。

何が変わるかというと、こういう使い方ができるようになります。

  • 「先月の議事録をまとめて、決まったことだけ抜き出して」——Drive上の議事録を読ませる。
  • 「この案件のSlackのやり取りを追って、経緯を時系列で整理して」——チャンネルの会話を読ませる。
  • 「来週の予定を見て、この打ち合わせを入れられる枠を出して」——カレンダーを見せる。

ファイルを1つずつ添付する手間がなくなる、というのが最大の効果です。「毎回同じ資料をアップロードしている」作業があるなら、そこが接続の候補になります。

POINT

逆に言うと、添付で足りているなら接続する必要はありません。「便利そうだから全部繋ぐ」ではなく、繰り返している手間から逆算して繋いでください。接続を1つ増やすたびに、確認すべき権限も1つ増えます。

接続前に確認する権限の考え方

ここがこの記事の本題です。接続ボタンを押す前に、3つの質問に答えられる状態にしてください。

誰の権限で読まれるのか

コネクタは基本的に接続した本人のアカウント権限で動きます。つまり「その人がGoogle Driveで開けるものは、Claudeからも参照できる」という関係です。

ここで注意が要るのは、権限の広い人が接続した場合です。全社の共有ドライブに広くアクセスできる管理職や情報システム担当が接続すると、その範囲がまるごと参照対象になります。「まず管理者が試す」という進め方は、この点だけ気をつけてください。

何を許可しようとしているのか

認証画面には、要求される権限が表示されます。ここを読み飛ばさないでください。「閲覧のみ」なのか「編集もできる」のかで、リスクの大きさがまったく違います。

読み取りだけで用が足りるなら、書き込み権限は与えないほうが安全です。用途が「資料を読ませて要約する」なら、書き込みは不要なはずです。

止めたいときに止められるか

接続は設定画面からいつでも解除できます。解除の場所を、接続する前に確認しておいてください。何かあったときに探すのでは遅いです。設定画面のコネクタ項目に、接続中のサービス一覧と解除の操作があります。

CAUTION

実務で一番危ないのは、「とりあえず全部繋いでおいた」まま誰も棚卸ししていない状態です。接続は増やすのが簡単で、減らすのを忘れやすい。四半期に一度、接続中のサービス一覧を見る運用を決めておいてください。共有リンクの棚卸しと同じタイミングでやると習慣になります。

手順:Google Driveに接続する

設定からコネクタの項目を開く

画面左下のアカウント名をクリックして設定を開き、コネクタ(接続)に関する項目に進みます。接続できるサービスの一覧が表示されます。

Google Driveを選ぶ

一覧からGoogle Driveを選び、接続の操作に進みます。

接続に使うGoogleアカウントを選ぶ

Googleの認証画面が開きます。業務で使うなら、会社のアカウントを選んでください。個人アカウントでログインしたまま接続してしまい、業務資料が参照できずに「動かない」となるケースがよくあります。

権限の範囲を読んでから許可する

認証画面に表示される権限を確認します。前の章で書いたとおり、ここが実質的な判断ポイントです。問題なければ許可します。

意図した範囲だけが読まれるか確認する

接続できたら、会話画面で実際に試します。いきなり本番の機密資料で試さないこと。まず当たり障りのない資料で「どこまで見えているか」を確認してから、業務に使ってください。

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Slackを繋ぐときの注意点

Slack連携はDriveよりも判断が難しくなります。理由は、Slackには「公開されているつもりのない会話」が大量にあるからです。

  • 参加しているチャンネルが広い人ほど範囲が広い:全チャンネルに入っている管理者が接続すると、その全部が参照対象になり得ます。
  • 雑談チャンネルも対象になる:業務判断の経緯が雑談チャンネルに散らばっている会社は多く、それ自体は資産ですが、要約させる範囲としては意図しないものが混ざります。
  • ダイレクトメッセージの扱いを確認する:どこまでが接続の対象になるかを、接続前に必ず確認してください。人事や労務のやり取りが含まれると影響が大きくなります。
POINT

Slackを繋ぐなら、「案件チャンネルの経緯を追う」のように用途を先に決めてから接続してください。用途が決まっていれば、必要なチャンネルにだけ参加している専用の運用アカウントを用意する、といった対処も選べます。

社内ルールとして決めておくこと

技術的な設定より、こちらのほうが効きます。3行で足ります。

  • 接続してよいサービスを決める:許可制にする必要はありませんが、「人事・労務・給与に関わるものは繋がない」といった除外だけは決めておきます。
  • 権限の広い人の接続は慎重に:管理職や情報システム担当が接続する場合、範囲が全社に及びます。試すなら範囲の狭いアカウントで。
  • 四半期に一度、接続一覧を見る:不要になった接続を切ります。共有リンクの棚卸しとセットで実施してください。
CAUTION

接続を増やすと、Claudeは確実に便利になります。同時に、「何が読まれ得るか」を説明する責任も増えます。取引先から情報の取り扱いを問われたときに答えられる状態を保ってください。判断に迷う場合は、繋がないという選択も十分に合理的です。

よくある質問

接続すると、Claudeが勝手にファイルを読みに行きますか?
会話の中で参照が必要になったときに読みに行く形です。ただし「勝手に読まないから安全」と考えるのは危険です。接続している以上、読める状態にはあります。読まれて困るものが権限の範囲に入っていないか、を先に確認してください。
共有ドライブ全体が読まれてしまうのが不安です。
接続そのものは利用者本人の権限に紐づくため、本人がアクセスできる範囲が対象になります。範囲を絞りたい場合は、接続用のアカウントに与えるアクセス権を絞る、あるいは共有先を必要なフォルダだけに限定する、といったサービス側での制御が現実的です。Claude側の設定だけで細かく絞ろうとしないほうが確実です。
接続を解除すると、読み込んだ内容も消えますか?
接続を切れば以後は参照できなくなりますが、それまでの会話に残った内容は会話の履歴として残ります。必要に応じて会話自体を削除してください。
社員が退職したら、その人の接続はどうなりますか?
接続は個人のアカウントに紐づくため、アカウントを停止すればその接続も使えなくなります。業務で共有していた接続がある場合は、別の担当者側で作り直す必要があります。退職チェックリストに「Claudeの接続の引き継ぎ」を1行入れておくと漏れません。
一覧にない社内システムと繋ぎたい場合は?
MCPという仕組みを使うと、標準のコネクタ一覧にないツールとも接続できます。設定ファイルを書く必要があるため開発者向けですが、社内の基幹システムや独自ツールを繋ぐならこちらが選択肢になります。MCPの記事で扱っています。

設定はできた。
では、どう使うか。

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