画面を見て、
代わりに操作する。

Claude in Chromeは、ブラウザで開いている画面をClaudeが見て、クリックや入力を代行する拡張機能です。会話でファイルを渡すのとは性質が違い、AIが実際に操作を行います。だからこそ「どのサイトで、何を許可するか」を先に決めておく必要があります。ここでは導入手順と、法人利用で押さえるべき許可範囲の考え方を解説します。

何ができる機能なのか

確認日:2026年7月/提供状況は変わることがあります

Claude in Chrome は、ブラウザで開いているページをClaudeが認識し、クリックや入力といった操作を代行する拡張機能です。

これまでのClaudeは「情報を渡すと答えを返す」ものでした。この拡張機能が加わると、Claudeが自分で画面を見て、次の操作を判断して実行するという動き方になります。性質がひとつ変わります。

  • 複数ページから情報を集める:一覧ページから各詳細ページを順に開き、必要な項目を抜き出して表にまとめる。
  • Webシステムの定型入力:同じ形式の入力を繰り返す作業を任せる。
  • 画面を見ながらの調査:管理画面の設定状況を確認して、問題点を指摘させる。
POINT

この機能の判断基準は「便利かどうか」ではなく、**「その操作をAIに任せて、間違えたときに戻せるか」**です。読み取りだけの作業なら失敗しても損失はありません。送信や更新を伴う操作は、そうではありません。

導入と初期設定

拡張機能をインストールする

Chromeウェブストアから拡張機能を追加します。提供状況はプランや時期によって変わりますので、まず自分のアカウントで利用できるかを確認してください。

会社の端末で拡張機能のインストールが制限されている場合は、情報システム担当への申請が必要です。

Claudeのアカウントと紐づける

拡張機能を開いてログインします。会社のアカウントでログインしているかを確認してください。複数アカウントを使い分けている場合、ここを間違えると意図しないアカウントで動きます。

許可するサイトを設定する

ここが最も重要な設定です。この拡張機能は、許可したサイトでのみ動作します。初期状態では何も許可されていない前提で、使いたいサイトだけを明示的に追加していきます。

次の章で、この許可範囲の決め方を詳しく扱います。

読み取りだけの作業で試す

最初は「このページの内容を要約して」のような、操作を伴わない依頼から始めてください。動きが分かってから、操作を任せる範囲を広げます。

サイトごとに許可を決める

この機能の安全性は、ほぼこの設定で決まります。3段階で考えてください。

  • 許可してよいサイト:公開情報のサイト、社外向けの調査対象、ログイン不要のページ。間違って操作されても被害がありません。
  • 慎重に判断するサイト:社内の情報共有ツール、案件管理システム。読み取りだけなら有用ですが、書き込みを伴う操作は影響が出ます。
  • 許可すべきでないサイト:ネットバンキング、会計システム、人事・給与システム、顧客管理システム、メールの管理画面。ここは例外なく除外してください。

判断の理由はシンプルです。ログイン済みの状態で操作を許可すると、そのアカウントでできることはすべて実行され得ます。「AIがそんな操作をするはずがない」ではなく、「できてしまう構成になっているか」で判断してください。

CAUTION

もうひとつ、法人利用で知っておくべきリスクがあります。Webページの中に、AIへの指示のように読める文字列が埋め込まれている場合、それを指示として解釈してしまう可能性が指摘されています。信頼できないサイトで操作を許可すべきでない、という原則はこのためです。「見に行くページを自分で選んでいる」状態を保ってください。

向いている作業・向いていない作業

実務で効果が出ている使い方と、やめておいたほうがよい使い方を分けます。

向いている作業

  • 情報の収集と整理:複数のページを開いて、必要な項目を抜き出して一覧にする。手作業でやると単調で時間がかかる部分です。
  • 公開情報の調査:競合のサービス内容や価格を、複数サイトから拾って比較表にする。
  • 画面の確認作業:設定画面を見せて「推奨と違う設定になっている箇所」を指摘させる。
  • Webアプリの動作確認:開発中の画面を実際に操作させて、想定どおりに動くかを確認する。

向いていない作業

  • 金銭が動く操作:発注、振込、決済。理由の説明は不要でしょう。
  • 取り消せない送信:外部へのメール送信、フォームの本番送信。
  • 大量の反復処理:数百件を機械的に処理するなら、専用のツールを組むほうが速く、確実で、安く済みます。
  • 正確性が絶対に必要な転記:金額や個人情報の転記は、結局すべて目視確認することになり、手作業と変わりません。
POINT

この機能が一番効くのは、「単調だが判断が少しだけ必要」な作業です。完全に定型なら専用ツールのほうが向いていますし、判断が重ければ人がやるべきです。その中間に価値があります。

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社内で使う前に決めること

配る前に、3行だけ決めてください。

  • 許可してはいけないサイトの一覧:会計、人事、銀行、顧客管理。会社ごとに具体名で列挙してください。「気をつけて」では守られません。
  • 送信・更新を伴う操作は原則やらせない:読み取りと整理までを標準の使い方とします。例外を認める場合は、誰の承認が必要かを決めておきます。
  • 確認画面は必ず読む:操作前の確認を流し読みで承認する癖がつくと、この機能の安全策は機能しなくなります。ここは技術ではなく運用の問題です。
CAUTION

優先順位の話をしておきます。この機能は、Claude導入の最初にやるべきものではありません。まずチャットでの活用、Projectsでの前提共有、必要ならClaude Codeという順で成果を出してください。ブラウザ操作は、それらが回り始めてから検討する位置づけで十分です。導入の順番についてはAI導入の進め方ガイドを参照してください。

よくある質問

誰でも使えますか?
提供状況はプランや時期によって変わります。使えるかどうかは、Chromeウェブストアでの提供状況とご自身のプランを確認してください。この記事は考え方の整理を目的としており、提供条件は変わり得ます。
ログインしたままのサイトを操作させても大丈夫ですか?
技術的には可能ですが、ここが最も慎重になるべき点です。ログイン状態のまま操作を許可すると、その権限でできることはすべて実行され得ます。銀行、会計、人事、顧客管理といったシステムでは許可しないのが基本方針です。
勝手に操作されることはありますか?
許可していないサイトでは動きません。また重要な操作の前には確認を求める動作が基本です。ただし「確認を流し読みして承認する」癖がつくと意味がなくなるため、確認内容を読む習慣のほうが実質的な安全策になります。
業務のどこから使い始めるのがよいですか?
読み取り中心の作業からです。複数ページから情報を集めて表にまとめる、公開情報を調べて整理する、といった用途は失敗しても被害がありません。フォーム入力や送信を伴う操作は、慣れてから慎重に検討してください。
拡張機能を入れること自体を情報システムに止められています。
よくあるケースです。無理に回避しようとせず、まずは通常のClaude利用で成果を出してから、必要性を示して申請するほうが通りやすくなります。ブラウザ操作は代替手段があることも多く、優先度としては後回しで構いません。

設定はできた。
では、どう使うか。

安全に使う準備が整ったら、次は「どの業務に入れるか」です。
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